2010年APEC警備





 2010年APEC(アジア太平洋経済協力)は、首脳会議が平成22年11月13、14日に、閣僚会議が同月10、11日にそれぞれ横浜市で開催されたほか、7つの関連閣僚会合が6月から11月にかけて全国各地で開催されました。

 警察では、国民の理解と協力を得て、国内外要人の身辺の安全と行事の円滑な遂行の確保、テロ等違法行為の未然防止を図ることを基本方針として、全国警察の全ての部門が一枚岩となって、テロ関連情報の収集・分析、関係機関と連携した水際対策その他の警備諸対策を推進しました。

 こうした中、反グローバリズムを掲げる勢力や過激派による集会・デモ、右翼の取組み等がありましたが、警察では、テロや暴動等の発生を未然に防止し、開催国としての治安責任を果たしました。


首脳会議・閣僚会議の会議場「パシフィコ横浜」

 
会議場周辺における警備の状況(11月、神奈川)(上:共同)

 


 警察庁では、平成21年11月20日、次長を長とする「2010年APEC警備対策委員会」を設置するとともに、全ての都道府県警察において本部長を長とする警備対策委員会を設置して体制を確立し、全国警察が一体となって警備諸対策を強力に推進しました。

 APEC警備では、首脳会議が開催された神奈川県警察において、全国からの特別派遣部隊約1万4,000人を含む最大時約2万1,000人を動員して警備当たったほか、その他の関連閣僚会合についても、部隊の特別派遣を受けるなどして所要の警備体制を構築しました。

 また、全国警察において、特別派遣部隊の中核となる機動隊等を対象に、反グローバリズムを掲げる過激な勢力等による暴動等への対処を的確に行えるよう、ブラインド方式(注)による大規模な実戦的訓練を繰り返し実施するなど、精強な部隊の錬成に努めました。

(注)訓練参加部隊に対し、事前に暴徒役の行動を知らせずに実施する訓練

 
反グローバリズムを掲げる勢力等によるデモ行進(11月、神奈川)

 
 
米国大統領の車列(11月、神奈川)

 
 
首脳会議会議場周辺海域における自律型無人警戒艇による警戒状況(11月、神奈川)


 


 テロの未然防止のためには、警察のみならず、民間事業者、地域住民等と緊密に連携して行う官民一体の日本型テロ対策を広く全国で推進することが必要不可欠です。

  このため、全国警察においては、
 爆発物の原料となり得る化学物質の販売事業者、旅館業者、不動産業者等、テロリストが犯行の準備段階で利用する可能性のある施設管理者等と連携した各種対策

 鉄道事業者等と緊密に連携した公共交通機関対策

 重要インフラ事業者等と連携したサイバーテロ対策 を強力に推進しました。

  また、広く関係行政機関、民間事業者や地域住民の理解と協力を得るため、神奈川県警察では、ライフライン、鉄道、物流事業者等の参加を得たAPEC首脳会議対策協力会や地域住民等が参加する警察署地域安全安心協力会を立ち上げ、警視庁でも都下全署に地域版テロ対策東京パートナーシップを構築しました。その他の道府県警察においても、APEC警備対策協議会や既存の警察署協議会等を活用して、積極的な情報発信や地域住民、事業者等を交えた合同のテロ対処訓練等を実施しました。

 
APEC首脳会議対策協力会(平成21年11月、神奈川)

 

地域版パートナーシップの活動状況(平成22年4月、東京)

 
 
住民との合同パトロール(6月、神奈川)

 


 首脳会議と閣僚会議が横浜で開催されたほか、多数の関連閣僚会合が都市部で開催されたため、警備に伴う市民生活や社会経済活動への影響が避けられませんでした。

 このため、神奈川県警察では、会議場周辺の住民を対象に横浜市が発行した住民確認カード車両確認カードを活用し、検問等に伴う住民の負担軽減を図るとともに、車両下部を迅速・正確に確認する新型装備資機材を導入し、市民生活への影響に配慮した細心の警備を行いました。

 また、会議場周辺の商業施設や公共交通機関については、警備に伴う営業や運行への影響を最小限に抑えるよう配慮するとともに、必要に応じ、防犯カメラの増設その他の自主警備の強化に関する助言を行うなどの取組みを推進しました。

 このほか、警備に対する国民の理解と協力を確保するため、検問や交通規制、交通総量抑制対策の実施等について、地域住民等に対する説明会の実施やポスター、チラシの配布等あらゆる機会を利用して、効果的な広報に努めました。


【住民確認カード】


【車両確認カード】


 
新型装備資機材「車両下部カメラ」を活用した車両検問の状況(11月、神奈川)

 

APEC警備広報ポスター(警察庁)