6月、カナダで開催されたG8ムスコカ・サミットでは、首脳声明において、北朝鮮に核・弾道ミサイル計画の放棄を要請したほか、イランの核問題についても各国に国連安保理決議の完全実施を要請しました。

 近年、大量破壊兵器、ミサイルやその関連物資の拡散を阻止するため、各国がその移転や輸送を阻止する措置を検討・実践する国際的な取組み(PSI:Proliferation Security Initiative)が活発になっています。

 警察は、NBCテロ対策部隊を派遣して訓練に参加するなど、PSIに積極的に参画しています。


平成21年のPSI訓練の様子



 警察は、大量破壊兵器の拡散が国際安全保障上の重大な関心事項となっていることを踏まえ、大量破壊兵器関連物資等の不正輸出の取締りを積極的に推進しています。22年中には、パワーショベルを中国経由で北朝鮮に不正に輸出した事件を検挙しました。

 これまでの事件をみると、第三国を経由した迂回輸出の実態が確認されるなど、不正輸出の手口は今後更に悪質・巧妙化していくとみられます。

 警察では、国内外の諸情勢を的確に把握・分析し、関係機関との緊密な情報交換を行うことなどにより、大量破壊兵器関連物資等の不正輸出の取締りを強化していくこととしています。


不正に輸出されたパワーショベル(6月、福岡)