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2005年日本国際博覧会(愛知万博)の開催に伴う警備諸対策



1 2005年日本国際博覧会開催をめぐる諸情勢

  2005年日本国際博覧会(以下、「愛知万博」という。)は、「愛・地球博」を愛称として、平成17年3月25日から9月25日までの185日間、愛知県において、122か国(日本を含む。)・5国際機関(17年1月末現在)が参加して開催される予定であり、開催期間中は国内外の観客約1,500万人の来場が見込まれています。
 現在までのところ、愛知万博開催をめぐる具体的なテロ情報は把握されていませんが、愛知万博に対するテロ等不法事案が発生する可能性は否定できないほか、国内外の要人が来場する際には抗議行動も一部予想されます。
 また、多数の来場者に伴う会場周辺の交通渋滞や会場内外での混雑が予想されるほか、国内要人を始め、参加国から元首や首相、閣僚等の多数の外国要人の来場が見込まれています。

2 警備諸対策

(1)概要

 警察では、愛知万博をめぐる厳しい諸情勢を踏まえ、関係機関と連携を図りつつ、テロ対策を始め、警衛・警護対策等の警備対策、交通対策、雑踏対策等を総合的に推進し、愛知万博警備の万全を期することとしています。
 警察庁では、16年9月21日、警察庁次長を長とする「2005年日本国際博覧会対策委員会」を設置し、愛知万博開催の万全を期すため、「テロ等不法事案の未然防止の徹底」、「安全かつ円滑な交通の確保」、「雑踏事故の防止」等を基本方針として各種対策を推進することとしています。
 また、愛知万博会場を管轄する愛知県警察では、15年4月に国際博対策課を設置して諸対策を推進するとともに、16年6月には、愛知県警察本部長を長とする愛知万博業務推進本部を設置し、事前総合対策を推進しています。このほか、愛知県に隣接する各県警察等では、警備連絡室等を設置するなど、体制を確立して諸対策を推進しています。

(2)テロ対策

 警察庁では、テロ等不法事案の未然防止のため、関係省庁、外国治安情報機関、博覧会協会等と連携を図り、水際対策や航空機対策の徹底、会場上空警戒の徹底、NBCテロ対策の強化等を推進しています。

(3)警衛・警護対策

 愛知万博には、天皇皇后両陛下の行幸啓、皇太子同妃両殿下の行啓、各皇族方のお成りを始め、国内外から多数の要人の来場が見込まれることから、こうした国内外の要人に対する警衛・警護の万全を期すため、関係省庁等関係機関と連携の下、警衛・警護環境の整備に向けた諸対策を推進するとともに、国内外の要人に対するあらゆる事案に備えた体制の確立に努めています。

(4)交通対策

 交通の混乱等が懸念される中、広範囲にわたる交通総量の抑制等の交通管理を総合的に推進し、安全かつ円滑な交通の確保を図ることとしています。

(5)雑踏対策

 開催期間中、会場ゲート、乗換駅等の混雑が予想される中、施設管理者や雑踏警備に従事する警備業者等と緊密に連携して雑踏事故の防止を図ることとしています。


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