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テロ対策推進要綱


1 テロ対策推進要綱の策定


  警察庁では、平成15年8月、「緊急治安対策プログラム」を策定し、国民が安心して暮らせる安全な社会の確立を目指しているところですが、我が国に対するテロの脅威が急速に高まっているとの認識の下、16年8月、同プログラムを踏まえつつ、テロの未然防止と発生時の対処に向け、当面講ずべき諸対策を「テロ対策推進要綱」として取りまとめました。
 本要綱には、警察が独自に行う対策のみならず、幅広い分野にわたる対策が含まれていますが、これは、テロの未然防止に万全を期すためには、警察のみならず、関係機関や国民が協力しながら、各種の対策を講じていく必要があるからです。
 警察庁は、本要綱を踏まえつつ、政府の「国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部」の下、関係省庁とともに、テロの未然防止に資する諸対策について検討を進め、12月、同本部は「テロの未然防止に関する行動計画」を取りまとめました(「4 関係省庁との協力」参照)。


2 施策の概要

1 テロ未然防止対策の強化

(1) 水際対策の強化

  出入国管理や沿岸警戒に携わる関係機関との連携の強化やスカイ・マーシャルの運用に加え、出入国管理におけるバイオメトリクスの活用についての検討を進めるなど、水際対策を強化します。

(2) テロ関連情報の収集・分析及びテロリスト容疑者の発見・取締りの強化

  国内における情報収集・追及態勢の強化、外国治安情報機関等との連携等を推進し、テロ関係の不審動向や北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案の解明等を進めるとともに、テロ関連事案等の剔抉検挙を図ります。

(3) 重要施設の警戒警備等の徹底

  空港防護保安対策、鉄道テロ対策や原子力関連施設その他の重要施設の警戒警備等を徹底します。

(4) 危機管理企画機能の強化とテロ未然防止に必要有効な法制等の整備

  海外のテロ法制・運用状況について研究を進め、我が国の国情、法体系に則し国民の合意を得られる有効な法制が整備されるよう、内閣官房や関係省庁との連携を強化します。

2 緊急事態発生時の対処能力の強化

(1) 重大テロ等の迅速的確な対処

 NBCテロへの対処能力の向上、特殊部隊(SAT)の拡充、関係機関との連携の強化等により、重大テロ等に迅速的確に対処することのできる態勢を整備します。

(2) 国民の保護・被害最小化のための的確な避難誘導、救助等の実施

 武力攻撃事態等において的確な避難誘導、救助等を行うため、実戦的な訓練を実施するほか、大規模テロや自然災害等の避難誘導等に活用できる装備資機材の充実に努めます。
<テロ対策推進要綱の概要>

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