表紙・目次 はじめに 第1章 警備警察50年の歩み 第2章 警備情勢の推移 第3章 警備情勢の展望と警察の対応 資料編

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厳しい情勢の中での警衛・警護警備
1 昭和30年代

◎第18回オリンピック(東京大会)に伴う警備

 アジア初のオリンピックとなった東京大会は、昭和39年10月10日、国立競技場において、94か国、6、550人の選手・役員が参加し、天皇皇后両陛下、国内外の要人等多数を迎え、史上最大といわれた規模で開催されました。
 本警備に伴い、警察庁ではオリンピック東京大会対策本部を、関係都道府県警察では、それぞれ警備本部を設置して、警衛・警護警備を実施しました。

2 昭和40年代

◎日本万国博覧会に伴う警備

 日本万国博覧会は、激動する安保の年であった昭和45年3月14日から9月13日までの184日間の長期にわたり、大阪府吹田市において開催され、77か国、総入場者数6、421万人余という万国博覧会史上最高の記録を残しました。国内外合わせて119の展示館では、連日各種の催物が行われ、多数の観客が詰め掛け混雑を極めました。
 本警備に伴い、大阪府警察では、全国警察から特別派遣を受けて、内外要人の警衛・警護警備、雑踏警備等を実施しました。

3 昭和50年代

◎第5回主要国首脳会議に伴う警備

 我が国における初の主要国首脳会議(東京サミット)は、昭和54年6月28日、29日の両日、東京・迎賓館において、カーター・米国大統領を始め主要国首脳等の参加を得て開催されました。
 同会議の開催に際して、過激派が集会、デモ等の反対行動に取り組んだほか、一部右翼が批判街宣等を展開しました。
 本警備に伴い、警察庁では警備対策委員会を設置し、警視庁では特別派遣を含む約2万6、000人の体制で警護警備を実施しました。

4 昭和60年代

◎第12回主要国首脳会議に伴う警備

 第12回主要国首脳会議(東京サミット)は、昭和61年5月4日から同月6日までの3日間、東京・迎賓館において、レーガン・米国大統領を始め主要国首脳等の参加を得て開催されました。
 同会議の開催に際して、過激派が集会、デモ等の反対行動に取り組んだほか、一部右翼が批判街宣等を展開しました。
 本警備に伴い、警察庁では警備対策委員会を設置し、警視庁では特別派遣を含む約3万人の体制で警護警備を実施しました。

主要国首脳会議に伴うデモ警備
主要国首脳会議に伴うデモ警備
(昭和61年、東京)

5 平成元年以降

1 昭和天皇崩御に伴う警備

 昭和64年1月7日、昭和天皇の崩御に伴い、平成元年2月24日に執り行われた大喪の礼には、各国の元首、弔問使節及び国内要人等約1万人が参列しました。
 また、即位の礼・大嘗祭は、2年1月23日から約1年にわたって挙行され、11月12日の「即位礼正殿の儀」には、158か国、国連及びECの元首、祝賀使節、国内要人等約2、200人が参列しました。
 本警備に伴い、警察庁では警衛警護警備対策委員会を設置したほか、警視庁では全国警察から特別派遣を受けて、大喪の礼に際しては約3万2、000人、即位の礼に際しては約3万7、000人の体制で警衛・警護警備を実施しました。

即位の礼に伴う警備
即位の礼に伴う警備
(平成2年、東京)

2 第19回主要国首脳会議に伴う警備

 第19回主要国首脳会議(東京サミット)は、平成5年7月7日から9日までの3日間、東京・迎賓館において開催され、9日には、エリツィン・ロシア大統領を招待して、いわゆるG7+1会合が行われました。
 同会議の開催に際して、過激派が、集会、デモ等の反対行動に取り組んだほか、一部右翼が批判街宣等を展開しました。
 本警備に伴い、警察庁では警備対策委員会を設置して諸対策を推進し各国首脳等の安全と諸行事の円滑な進行の確保に努めました。


3 第18回冬季オリンピック(長野大会)に伴う警備

 長野オリンピック冬季競技大会は、平成10年2月7日から同月22日までの16日間、また、長野パラリンピック冬季競技大会は、3月5日から同月14日までの10日間にわたり、長野市等において開催されました。
 過去のオリンピックでは、しばしば国際テロ等の重大事件が発生しており、テロの発生が懸念される極めて厳しい情勢下での開催となりました。
 本警備に伴い、長野県警察では、全国警察から特別派遣を受けて、オリンピックに際しては約6、000人、パラリンピックは約3、200人の体制で警衛・警護警備を実施しました。


4 第26回主要国首脳会議に伴う警備

 第26回主要国首脳会議(九州・沖縄サミット)は、我が国初めての地方・分離開催となり、福岡蔵相会合、宮崎外相会合の後、平成12年7月21日から同月23日までの3日間、沖縄において開催されました。
 同会議の開催に際して、過激派が集会、デモ等の反対行動に取り組んだほか、一部右翼が批判街宣等を展開しました。
 本警備に伴い、沖縄県警察では特別派遣を含む約2万2、000人、福岡、宮崎両県警察では、それぞれ約5、000人の体制で警護警備を実施しました。


5 ワールドカップサッカー大会に伴う警備

 2002年ワールドカップサッカー大会は、平成14年5月31日から6月30日までの間、日韓両国で開催され、国内では、10会場で計32試合が行われました。
 本大会は、海外から多数の観客の来日、フーリガンの入国が予想され、また、「米国における同時多発テロ事件」の発生以降テロ情勢は極めて厳しく十分な警戒を要しました。
 本警備に伴い、警察庁では、韓国や関係省庁との連携強化に努めたほか、全国警察を挙げて、警備対策、交通対策を推進しました。


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