はじめに

 オウム真理教は、平成10年の暮れころから再び豊富な資金をもとに各地で新たな土地・建物を確保して進出する動きを見せました。平成11年に入ると、「進出阻止」に取り組む住民運動が全国各地で活発に展開され、連日、新聞、テレビで大きく取り上げられました。
 オウム真理教は、宗教法人を隠れ蓑にしながら「松本サリン事件」「地下鉄サリン事件」など数々の凶悪事件を引き起こしたテロ集団です。一連の事件の後、解散命令の決定により法人格を失い、破産宣告の決定を受けて財産を処分されました。また、制定以来初めて破壊活動防止法による規制処分(解散指定)までも審査されました。このころ、オウム真理教は活動を控えていました。
 ところが、オウム真理教は世間の目を欺いていたに過ぎなかったのです。平成9年1月、公安審査委員会が破壊活動防止法の適用を見送る決定を下して以降、徐々に組織の整備と資金の獲得を行い力を蓄えてきました。そして、平成11年4月、オウム真理教は、ゴールデンウィークでにぎわう東京都内の繁華街で堂々と幟を立てて踊るなどのパフォーマンスを繰り広げ、”復活”をアピールしました。
 警察は、平穏な生活を守り公共の安全を確保するとの立場から、警戒警備を強化するとともに、信者の違法行為については厳正に対処するなどして地域住民の方々の不安感の除去に努めています。
 ここでは、オウム真理教の反社会的な本質とその実態、警察による諸対策などを紹介します。

オウム退去を求め抗議集会を開く地元住民ら(栃木)の写真
オウム退去を求め抗議集会を開く地元住民ら(栃木)     (写真提供/共同通信)



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