●学園における組織拡大工作

 革マル派の学生部門としては、「日本マルクス主義学生同盟・革命的マルクス主義派(マル学同)」が組織されており、その傘下には、同派系の「全日本学生自治会総連合(全学連)」があります。全学連は、定期的に全国の学生活動家を集めて大会を開催したり、「反戦・反安保」等を掲げて集会、デモ等の活動を行っています。
 革命勢力各派は、新たな活動家や活動資金の獲得を図るため、大学における自治会活動や学園祭運営に介入しています。大学の自治会や学園祭を運営する組織を掌握し、一般学生から徴収する自治会費等を組織の資金源として流用しているものとみられます。このため革命勢力各派は、自治会の主導権をめぐって対立を繰り広げています。
 革マル派が勢力を有する大学は、全国に多数あります。拠点校の一つである早稲田大学では、革マル派が主導する早稲田祭実行委員会が、以前からプログラムの広告収入を同派系のサークルに横流しするなどの疑惑がもたれていました。このため、大学当局は、学園祭の運営を健全なものとするための改革に乗り出しましたが、早稲田祭実行委員会が大学当局の要求に応じないため、平成9年の早稲田祭を中止し、更に10年の早稲田祭も中止しました。大学当局は、早稲田祭の中止決定について、「早稲田祭が新しく生まれ変わるための「痛み」である」と訴えました。
 こうした状況下で、革マル派が、9年8月から10月にかけ、早稲田大学法学部教授(早稲田祭を担当していた当時の学生部長)宅の電話を盗聴していた事実が警察の捜査で判明しました。
 警察では、10年5月、この事件で革マル派活動家10人を指名手配しました。


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<新聞記事>
左から
平成10年5月20日付 東京新聞
平成10年7月19日付 産経新聞
平成10年7月18日付 読売新聞

    


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