●革マル派とは

 革マル派は、正式名称を「日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派」といい、昭和38年2月、中核派と分裂して組織されました。思想的には、マルクス、レーニン、トロツキーの革命理論を基礎としており、「帝国主義打倒、スターリン主義打倒」、いわゆる「反帝・反スタ」を掲げ、東西冷戦終えん後もプロレタリア世界革命及びその一環としての日本革命を目指している団体です。
 現在でも中核派と並ぶ組織力を有し、その数は約4,300人とみられています。機関紙は、「解放」(週刊)と「共産主義者」(隔月刊)を発行しています。
 革マル派は、昭和50年代ごろまで陰湿なゲリラ事件を次々と引き起こしていましたが、最近は、表面上暴力性を隠して、組織拡大に重点を置き、各界各層への浸透を図る戦術をとっています。しかし、機関紙紙上では依然として「ブルジョア国家の転覆をめざす革命党」であることを繰り返し主張し、組織内の結束を図っています。
 革マル派は、他セクトと比較して様々な特異性を有しています。同派の指導者は、発足以来30数年間にわたり議長職にあった黒田寛一ですが、平成8年の議長交代後も、引き続き同人が実質的指導者であるとみられています。黒田前議長は、昭和42年以降集会等で姿を現すことはなく、演説は録音したテープを流したり、原稿の代読という形で行われていたと言われています。見たこともない人物を絶対的指導者として支持している点に同派の特異性がみられます。
 また、革マル派は、街頭での集会、デモの際にも、セクト名は出さず実行委員会名等でカムフラージュしたり、参加者同士がペンネームを使用するなど閉鎖性、秘匿性が強いほか、他党派と共闘することもなく排他性が強いのも特徴です。
 同派は、東京都内早稲田に構えている「解放社本社」のほか全国6道府県に設置している支社等を表向きの拠点として活動しています。しかし、非公然・非合法活動を伴う“裏の活動”は、全国に点在する、いわゆる非公然アジトを拠点として展開されていることが警察の摘発で判明しています。


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