東日本大震災の災害応急対策に必要な車両の通行確保のために講じた措置

被災地の災害応急対策に必要な車両の流れを確保するために

 今回の震災では、一般道路・高速道路とも大きく損壊しましたが、 東北自動車道等の高速道路は、特に福島県内の随所で、 路面に亀裂、陥没、波打ち等がみられました。
 また、仮復旧により、かろうじて片側1車線を確保した区間もあり、 このような状況で多数の車両の通行を認めれば、交通渋滞が生じたり、 道路が陥没したりするなどの危険がありました。
 そこで、地震発生の翌日(3月12日)に、災害対策基本法に基づいて 東北自動車道、常磐自動車道、磐越自動車道の一部区間等を緊急交通路に指定し、 人命救助、緊急物資輸送、原子力発電所事故への対応等の 災害応急対策に必要な車両(緊急通行車両)の通行を確保しました。

○交通規制の実施経緯はこちら

【東北自動車道 福島飯坂IC~国見IC】 【東北自動車道 矢板ICでの流入規制】
路面に亀裂と波打ちが発生 矢板ICでの流入規制
路面に亀裂と波打ちが発生

交通規制による市民生活への影響を最小限にとどめるために

 緊急交通路の指定後は、交通規制による市民生活への影響を最小限にとどめるため、 3月16日から22日にかけて、高速道路の補修状況等に応じて、 交通規制の実施区間を順次縮小するとともに、 残る規制区間についても大型車等は無条件に通行を認めることとするなどの措置を講じました。 その後、3月24日には、主要高速道路の交通規制を全面解除しました。


【常磐自動車道(水戸IC~那珂IC間)の道路補修状況】
3月11日 3月16日
3月11日 3月16日
約150mにわたって路面の陥没と波打ちが発生 舗装工事実施中

 また、食料、生活用品、医薬品、燃料等を輸送する車両に対し、 緊急交通路の通行に必要な緊急通行車両確認標章の適切な交付に努めるとともに、 道路状況を踏まえ、交付対象の拡大や交付手続の大幅な簡素化を図り、 交通規制が全面解除された3月24日までに、合計16万3,208枚の標章を交付しました。

○標章交付件数の推移はこちら
緊急通行車両確認標章

標章交付対象車両の一覧

<緊急通行車両確認標章の交付対象(災害対策基本法)>

警報の発令及び伝達並びに避難の勧告又は指示に関する事項
消防、水防その他の応急措置に関する事項
被災者の救難、救助その他保護に関する事項
災害を受けた児童及び生徒の応急の教育に関する事項
施設及び設備の応急の復旧に関する事項
清掃、防疫その他の保険衛生に関する事項
犯罪の予防、交通の規制その他災害地における交通秩序の維持に関する事項
緊急輸送の確保に関する事項
その他災害の発生の防禦又は拡大の防止のための措置に関する事項

<明確化することにより円滑かつ的確な交付を指示したもの>

政府の緊急物資輸送への協力
医薬品、医療機器等の輸送
医師、歯科医師
企業等による食料品・生活用品・燃料の輸送
(タンクローリーについてはICでも交付)
災害応急対策のため被災地に向かう建設業者
応急仮設住宅の建設及び建設準備
高速バス
霊柩車
家畜の飼料の輸送
金融機関等の現金輸送車
道路啓開用車両
患者等搬送車両
地震保険の保険金支払いに必要な調査のための車両

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