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G8 司法・内務大臣会議
( 2003年5月5日、パリ )
議長サマリー 【仮訳】
1. G8各国の司法・内務閣僚及び司法・内務担当の欧州委員会委員は、2002年5月のモン・トレンブラン(カナダ)における会合以降のテロ及び組織犯罪との闘いにおける進展を検証するために、2003年5月5日、パリ(フランス)において会合した。
2. 議長は、この会合において行われた議論の現段階におけるサマリーを作成した。
テロの脅威評価
3. テロリズムは、我々が効果的かつ早急に対処しなければならない我々の社会に対する拡散的かつ地球規模の脅威であり続けている。我々は、国際情勢及びアル・カーイダその他のテロ組織との闘いにおける最近の進展を踏まえてテロリストの脅威を評価した。
4. アル・カーイダのネットワークによる脅威は依然として深刻である。アフガニスタンにおけるアル・カーイダの拠点のほとんどは排除されたが、当該地域の他の場所において他のキャンプが再活性化してきているとみられる。アル・カーイダの能力は最近の逮捕により揺らいできているが、活動を休止し潜んでいる個人及び組織は常に活動をおこす準備ができている。
5. テロリストのネットワークに対するこれらの多大な打撃は、専門的情報機関の間の情報交換、警察協力及び国際捜査・司法共助の強化により達成された。我々は、テロリストによる攻撃を未然に阻止し、テロリストから攻撃を受ける可能性の最も高い標的を防護するため、この協力を継続し、強化する。
6. 現在までのところ、テロリストは通常兵器を使用しているが、テロリストがCBRN(化学、生物、放射性物質、核)手段を使用する危険は存在している。我々は、このような脅威を予見し、対処する方法を確立すべく取り組まなければならない。
警備対策
7. G8各国は、重大なインフラ、外国の代表使節、象徴的な場所及び攻撃を受ける危険性の高い共同体を防護するための防護措置、予防措置及び警備措置を既に講じている。
8. 各国は、脅威の程度及び関連する設備の性質に基づいた防護の戦略及び措置をとる責任がある。我々は、これらの問題に関する緊密な国際協力が極めて重要であることを強調した。
バイオメトリクス技術の利用
9. 我々は、バイオメトリクス技術の発展とその旅行手続及び旅行文書への適用の重要性を一致して強調する。我々は、この新しい技術によって犯罪又はテロ目的での偽造文書の使用との闘いにおいて新しい可能性が開かれると認識した。その結果バイオメトリクス技術は、G8首脳及び政府によって2002年に定められた目的と合致し、移動の安全の強化に資することになる。
10. 我々は、これら新しい技術の使用に関連する問題が、関係する国際機関における共通の枠組み及び基準の構築への取組みに帰結することを強調した。この精神に則り、G8は国際民間航空機関(ICAO)の作業に対する宣言(国際旅行に対するバイオメトリクスの適用に関するICAO宛声明)を発してこれを支持した。この宣言は、基準を構築するに当たって指針となる3つの原則を特定した。技術面での完全な相互運用可能性を確保するための基準の普遍性、これらの技術の採用の緊急性及び技術的信頼性である。
11. 我々は、フランスと米国の共同議長によるハイレベルの作業グループを招集し、その第一回会合をドイツで開催することを決定したが、この作業グループはフランスの議長期間が終わる前に、その効果測定方法を含むバイオメトリクス技術の発展の方法についての勧告を報告するものである。我々は、同作業グループに対し、ローマ/リヨン・グループと共に作業し、ICAOで進行中のバイオメトリクス技術に関する作業を念頭に置くことを要請する。
重要情報インフラ防護
12. 昨年、我々は、重要情報インフラに対する脅威及び攻撃、重要情報インフラの相互依存性、並びに起こり得るテロリストによる攻撃から重要情報インフラを防護することを確保するために国際的な協力を強化する必要性を強調した。この脅威と闘うために、我々は、コンピュータ・ネットワーク及び通信システムを含む情報インフラを防護し、テロリスト及び犯罪による情報インフラに対する脅威に対応するための新たな地球規模の協力を必要としている。
13. フランス及び米国は、2003年3月24日~26日までの間、パリにおいて重要情報インフラ防護に関するG8会議を共催した。この会議は、国際的に組織された重要インフラ防護に関する会議としては初めてのものであり、この分野における地球規模の更なる活動の基礎となり得る重要情報インフラ防護のための国際的に合意された原則が初めて策定された。我々は、この会議の結果を高く評価し、11の原則を採択するとともに、我々のハイテク犯罪対策の専門家に対し、重要な活動を推進し、その結果を広める取組みを先頭に立って進めるよう命ずる。
14. 政府と民間部門の関係は、サイバー犯罪の効果的な捜査及び重要情報インフラの防護にとって最も重要な問題である。我々は、ローマ/リヨン・グループに対し、ネットワーク・セキュリティ、事件捜査及びサイバー攻撃の報告に関するベスト・プラクティスについて作業を継続するよう求めるとともに、この分野における民間部門と法執行機関の間の関係を強化するための仕組みを探るように奨励した。また、我々は、ローマ/リヨン・グループに対し、アウトリーチ、キャパシティ・ビルディング及びローマにおいて開催が予定されている24/7ハイテク犯罪コンタクト・ポイントのトレーニングに関する会議を含むトレーニングに関する取組みを継続するよう求めた。
児童ポルノとの闘い
15. 我々は、児童の性的搾取のためのインターネット使用の増大に直面し、我々の懸念を再確認した。我々は、児童ポルノ犯罪に断固たる決意をもって対処する。我々は、ミラノ(2001年)及びモン・トレンブラン(2002年)において我々が設定した方針に従って専門家が行った作業を称賛した。
16. 我々は、インターネット上の児童の性的搾取に関するG8戦略の展開を称賛した。この戦略は、情報収集、被害者の特定、被疑者の所在の特定、法制、警察の捜査手法、民間との協力、予防及び国際協力の8つの目標を明示している。我々は、この戦略を承認し、これを実施するために既になされた相当の取組みを高く評価し、我々の専門家に対してこの分野においてなされる作業を監督するよう要請する。
17. 被害者及び児童性愛行動の被疑者を特定するために使用され得る国際的な画像データベースの創設に関し、大きな進展がみられた。G8により要請されたフィージビリティ・スタディ(可能性の研究)の結果、このような捜査手法は警察がインターネット上の児童の性的搾取に対してより効果的に闘うことを可能とするものであり、かつ、これらの捜査手法を創設することは可能であると結論付けた。Ronald K. Noble事務総長は、このデータベースを設置することにインターポールが意欲を持っていることを明らかにした。このデータベースは、既存の国内データベース、又はG8の数か国において創設中のデータベースに追加されるべきものである。財政的、技術的及び法的問題点については、引き続き明確にしていく必要がある。我々は、我々の専門家に対し、インプリメンテーション・スタディ(実施の研究)に関する彼らの作業を可能な限り加速するよう求める。
犯罪関連資産の追跡、凍結、押収及び没収のための手続の実効性の改善
18. テロ資金との闘いは、国際社会の優先事項であり続けなければならない。我々は、テロリストの資金源を絶ち、その金融資産を移転させ隠匿する能力を阻止するために必要な国内的及び国際的手段を採ることを、これまでに増して固く決意した。
19. 我々は、国連安全保障理事会決議1373及び1445の実施に当たって達成された大きな進展を称賛し、この分野においてFATFが着手した作業を賞賛する。我々はまた、国連テロ資金防止条約ができるかぎり多くの国によって批准されるよう我々が関与することを再確認し、G8がこの方向に向けて積極的に活動することを合意した。
20. 資産凍結のための国内措置は、司法当局との緊密な連携の下での専門的情報機関と警察の見事な協力により可能となったものであり、一定のテロ行為の抑止に効果を挙げた。今や我々は更に前進し、金融捜査の一環としての司法及び警察当局の活動の効果を増大させる必要がある。
21. このため、我々の専門家は、犯罪関連資産の追跡、凍結、押収及び没収に関する29のベストプラクティス原則を特定した。この原則はまた、犯罪関連資産の国家間での共有及び被害者への補償や返還も取り上げている。これらの原則及びグッド・プラクティスは意欲的なものである。これらは組織犯罪及びテロ資金をカバーしている。これらの複雑な問題を取り扱うために関連当局の専門化の必要性を強調している。
22. 我々は29のベストプラクティス原則を承認し、その推奨する措置を適用するため、それらに含まれる委任事項の実施に着手する。我々は専門家に対し、この分野での活動、特に国際社会全体でベスト・プラクティス原則が実施されるための最良の手段を特定することの継続を要請する。
特別の捜査技術
23. 国境を越える組織犯罪と効果的に闘う上で、司法及び警察協力の発展が不可欠である。G8各国は、複雑な捜査の遂行に利用され得る特別な捜査技術の推進の必要性を認識する。多くの場合、協調した対応が必要である。
24. 我々は、専門家に対し、国際的な司法及び警察協力における障害及びこの状況の改善手段の特定のための作業の継続を奨励する。
国家間におけるDNA情報の共有
25. DNA分析の請求は、この数年の間に困難な犯罪捜査の進展と解決のため活用された主要な新制度である。ほとんどのG8諸国は既に、広範囲の犯罪に関してこの分析技術が使用されることを許容する包括的な法制を保持している。
26. 国家間におけるDNA情報の使用と共有は、あらゆる形態の重大犯罪との闘いにおける根本的な進展となる。我々は、司法協力の実効性を強めるため、DNA情報の共有を拡大し、これらの収集と利用及び国際的協力に関する国家の能力を拡大することを望む。我々は、DNA情報の使用及び共有に関する専門家の報告を受け入れ、推奨された手法の導入を促進するよう要請する。
ローマ/リヨン・グループの将来の作業
27. これらの問題に加え、我々はローマ/リヨン・グループの将来の作業について意見を交換した。将来のG8議長国は、ローマ/リヨン・グループの優先事項と信じるテーマ、特にテロリストの行為を防止するための更なる方法や手段の緊急な検討(例えば世界規模でのアウトリーチやキャパシティビルディングの努力、重要情報インフラ防護の促進手段の検討、攻撃が行われる前の段階での対応を可能とする法執行能力の拡大、警備当局及び法執行当局間の情報の共有並びに難民や入国手続の濫用防止のための情報の共有)などを提示した。ローマ/リヨン・グループの将来の作業は、現存する協力枠組みを補完するための、強力で実務的に有用な仕組みを構築することを目的としなければならない。
28. さらに、我々はローマ/リヨン・グループに対し、共同文書アドバイザー(joint document advisers)及び武装スカイ・マーシャル(armed sky marshal)の活用を規定した共通の措置に関するドイツの提案について検討し、2003年末までに報告することを要請した。
29. 我々は、ローマ/リヨン・グループ代表団に対し、優先すべき活動を確定するに当たっては、シェルパによって採択された改革案に従い上記の方針を考慮することを要請した。
我々は、市民の安全に対するテロ及び組織犯罪による世界規模の脅威に直面して、これに柔軟に対応し団結し続けることを決意した。これには、第三国に我々の作業結果を広め、技術援助を提供することが含まれる。